会長挨拶

第33回日本リウマチ・関節外科学会を開催するにあたって

第33回日本リウマチ関節外科学会会長
東京女子医科大学東医療センター
整形外科教授 井上和彦

本年11月11日(金)12日(土)の期間に品川プリンスホテル・エグゼクティブタワーにおいて第33回日本リウマチ関節外科学会をお世話させていただきます。よろしくお願い致します。

本学会を開催させて頂くにあたり、基本コンセプトを「学会員による、学会員のための学会」と致しました。なるべく多くの学会員に参加して頂き、日頃の臨床的そして基礎的研究の成果を発表し、意見を交換し、学会員にとって実りのある学会を目指しております。

本学会はリウマチ外科研究会の発足から数えますと33年を経過した歴史のある、発展してきた学会であります。しかし、最近の本学会の現状は学会員の減少、学会参加者数の減少と数字は衰退を示しております。この現実を前にして理由を考えますと、 

  • 学会や研究会数の増加
  • 学会にどのような演題を応募するかが不明確になった
  • 学会の魅力が減少
などの理由が考えられます。

本学会の活性化のために、龍前々会長、高倉前会長とご相談して、各関節学会長にトピックスを話して頂くことを2年間継続し、本年も継続致します。そして若い先生方に多く参加して頂くために、専門医に年数が達しない若い先生方の参加費は半額といたします。そして、リウマチ・関節外科の治療成績を向上させるためにコメディカルとの協調は必須であり、本年はコメディカル(看護師、理学療法士、作業療法士など)のセッションを作りました。

第33回日本リウマチ・関節外科学会のテーマは「新しい治療の活用をめざして」と致しました。関節外科では最小侵襲手術(MIS)が患者様のニーズにより行われており、これを総括しておくべきと考え、シンポジウム(股と膝)でとり上げました。関節リウマチの薬物療法は免疫抑制薬、生物学的製剤(抗TNFの療法)の活用により、骨・関節破壊も治療できる可能性がでてきました。しかし、結核、間質性肺炎の合併と整形外科医にとって使いやすい薬とはいえません。ですが、これらの薬を使いこなせないと整形外科医はリウマチの治療から撤退せざるを得ません。整形外科医が少しでもこれらの薬を使いやすくするためにスポンサード・シンポジウムを企画致しました。整形外科医がどのように薬を使いこなせばよいか明らかにします。

リウマチ・関節外科を含めて日本の医療がどうなるのかは医師なら誰しもが持つ不安です。そこで、シンポジストに丹羽雄哉衆議院議員、杉岡洋一前日本医学会会頭、野中博日本医師会常任理事、厚生労働省担当者をお迎えして、「日本の医療について考える特別シンポジウム」を組み込みました。皆さんとともにこれからの「日本の医療」を考えたいと思います。

学会員の皆様はもちろんのこと、本学会に興味をお持ちの先生は是非ご参加下さい。お待ちいたしております。
なお、12日(土)午後には市民公開講座で「リウマチはここまで治る」を啓蒙したいと考えております。